「バリアフリーの物件を探しているのですが」と不動産屋さんに伝えると、毎回感じることがありました。
それはバリアフリーという言葉の曖昧さです。
母が車椅子生活になったとき、真っ先に頭をよぎったのは「今の家では暮らせない」ということでした。
段差、狭い廊下、浴室の構造。
健康なときは気にもしていなかった部分が、一気に問題として浮かび上がってきました。
そこから始まったのが、バリアフリーマンション探しです。
いざ不動産屋さんにバリアフリー物件を案内してもらっても、実際に内覧してみたらバリアフリーとはいえない部屋が多かったのです。
かなみバリアフリー物件ってここまで見つからないものなのか・・・
理想の部屋に出会えたのは奇跡だったとまで感じました。
同じように家族の住み替えを検討している方、これから介護が始まりそうな方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
「バリアフリー」という言葉のあいまいさ
最初に感じた壁は、「バリアフリー」という言葉のあいまいさでした。
物件情報に「バリアフリー」と書いてあっても、実際に車椅子で内覧してみると使えない仕様になっていることが多々あります。
「段差がない」というだけでバリアフリーと表記している物件も少なくありませんでした。
車椅子での生活に本当に対応できているかどうかは、数字で確認しなければわかりません。
内覧時に必ずチェックしたポイント
実際に母の車椅子を持ち込んで確認した項目をまとめます。
室内のチェックポイント
- 各部屋の入り口の幅(車椅子が通るには80cm以上が目安)
- 廊下の幅(車椅子で通るには85cm以上が理想)
- 玄関や各部屋の段差の有無(1mmでも引っかかる場合がある)
- 浴室・トイレの広さと手すりの位置
- キッチンの高さと車椅子での使いやすさ
上記に加え、必要に応じて間口幅をリフォームによって広げられるのかなどを内覧時には確認するようにしていました。
共用部のチェックポイント
- エントランスから玄関までの経路に段差がないか
- エレベーターの幅と奥行き(車椅子ごと入れるか、介助者も一緒に乗れるか)
- 駐車場から建物入口までの距離と段差
- 来訪者用の駐車スペース(ヘルパーさんや訪問看護の方が来ることを想定)
- 共用廊下の幅と緊急時の対応設備
図面だけでは絶対にわかりません。
必ず現地で車椅子を持ち込んで確認することが必須でした。
図面上は問題なさそうに見えても、実際に行ってみると微妙な段差があったり、エレベーターが思ったより狭かったりすることが何度もありました。
また現在母は電動車椅子も利用していますが、共用部のスロープの傾斜の緩やかさや玄関の段差などを乗り越えられるかも事前に見ておくと安心だと思います。
不動産屋さんとのやりとりで気をつけたこと
「バリアフリーの物件を探しています」と伝えると、担当者によって対応の質が大きく変わりました。
親身に条件を整理してくれる担当者もいれば、「こちらもバリアフリーですよ」と段差だらけの物件を紹介してくる担当者もいました。
悪意があるわけではなく、単純に知識や経験の差だと感じました。
最初の問い合わせ時点で、以下を具体的に数字で伝えるのが有効です。
- 車椅子の種類(自走式か介助式か)
- 必要な廊下幅・扉幅の数字
- エレベーターの必須条件
- ヘルパーや訪問看護が定期的に来ること
- 緊急時の対応を想定した設備の有無
感覚的に「バリアフリーで」と伝えるだけでは、認識のズレが生まれやすいです。
数字で伝えることで、担当者も条件を絞り込みやすくなります。
複数社に依頼してよかった理由
最終的に物件を見つけられたのは、複数の不動産会社に同時に依頼したことが大きかったと思います。
不動産媒介契約を結ぶまでは、複数の不動産会社に相談をすることが可能です。
最初に1社だけに絞ってしまうと、担当者の知識や提案力に左右されてしまうリスクがあるので注意が必要です。
我が家の場合は、複数社に同じ条件を伝えることで選択肢が一気に広がりました。
また複数社に依頼することで相場感もつかめます。
「この条件でこの価格は適正なのか」という判断軸ができるので、焦らず選べるようになりました。
物件の価格にもよりますが、仲介手数料は100万円前後かかってくるケースが多いです。
そんな中で仲介手数料が最大無料になる不動産屋を利用することで、引越し費用や家具の新調にも充てることができます。
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一方で安心感を大切にしたい方や、実績と信頼感で選ぶなら、三井のリハウスは安心して相談できる選択肢のひとつです。
バリアフリー物件の取り扱い実績も豊富で、条件を丁寧にヒアリングしてもらえました。



母が慎重派だったこともあり我が家は大手にお願いすることにしました。
新居に移って変わったこと
母が新居に移ってから、明らかに表情が変わりました。
「移動のたびに誰かに頼まなくていい」という自立感が、本人にとって大きかったようです。
室内・共用部の段差も解消されたことで、付き添いがあれば外出できるようにもなりました。
今までは介護の方がいないと室内から出ることすらできない状況だったので、家族でスーパーに行けるだけでとても嬉しそうな表情を見せてくれています。
住環境を整えることは、生活の質を根本から変える力があります。
また介護する側だけでなく、される側の尊厳にも関わることだと実感しました。
バリアフリー物件探しにかかった期間
参考までに、実際にかかった期間をお伝えします。
条件を整理して動き始めてから、実際に契約するまで約半年かかりました。
通常の物件探しより時間がかかる理由は主に3つです。
- バリアフリー対応の物件数自体が少ない
- 内覧のたびに車椅子を持ち込む必要があり手間がかかる
- 条件が細かいため、担当者との認識合わせに時間がかかる
焦って妥協して選んだ家では、結局また引っ越しが必要になる可能性もあります。
時間がかかることを最初から想定して、余裕を持って動き始めることをおすすめします。
よくある質問
Q. バリアフリーマンションと普通のマンションで価格差はありますか?
A. 物件によって異なりますが、バリアフリー対応の設備が充実しているほど価格が高くなる傾向があります。ただし介護保険を活用した住宅改修補助制度もあるので、自治体の窓口に確認してみてください。
Q. 賃貸でもバリアフリー物件は探せますか?
A. 探せます。ただし購入物件より選択肢が少ない場合があります。不動産会社に「バリアフリー対応の賃貸」と明示して相談するのがおすすめです。
Q. 車椅子対応のマンションを探すのに良い時期はありますか?
A. 一般的に不動産の動きが活発な2〜3月、9〜10月が物件数も多く選びやすいです。ただしバリアフリー物件は数が限られるので、時期に関わらず早めに動き始めることをおすすめします。

