国立市で建設中のマンションが、7月の引き渡しを前に解体となることが明らかになりました。
解体されるマンションは積水ハウスが売主のグランドメゾン国立富士見通り。
なぜ完成間近というタイミングでの解体が決まったのでしょうか。
・国立市のマンション「グランドメゾン国立富士見通り」の概要
・国立市のマンションが解体される理由
・国立市のマンション解体に対するSNSでの反応
本記事では国立市のマンション「グランドメゾン国立富士見通り」が解体されることになった理由やSNSでの反応について紹介していきます。
国立市のマンション「グランドメゾン国立富士見通り」の概要
グランドメゾン国立富士見通りは国立富士見通りに10年ぶりの分譲マンションとして売り出されていた物件です。
全邸南向き&全邸角住戸を叶えた全18邸のプライベートレジデンスで、国立の街と調和する洗練と安らぎの邸宅を謳っていました。
ところが7月の引き渡しを前に、解体されることになりました。
売主 | 積水ハウス |
価格帯 | 7399万円~8199万円(第3期) |
専有面積 | 70.22㎡~75.88㎡(第3期) |
総戸数 | 18戸 |
規模 | 10階建て |
竣工予定 | 2024年6月下旬 |
引き渡し予定 | 2024年7月中旬 |
JR中央快速線「国立」駅からは徒歩10分と立地も良く、富士見通りを一直線のフラットアプローチで到着できます。
国立市のマンションが解体される理由
それではなぜこのマンションは解体されることになったのでしょうか。
積水ハウスは取材に対して、解体の理由を以下のように述べていました。
「周囲への影響の配慮が当社の検討で不十分だったため」
出典;YAHOO!JAPANニュースより引用
周囲への影響の配慮とは、おそらく景観の問題だとされています。
というのも、マンションが建設予定の富士見通りは富士見百景にも選ばれているそう。
関東の富士見百景とは、国交省のサイトで下記のように記載されています。
「関東の富士見百景」は、富士山への良好な眺望を得られる地点を選定し、周辺の景観の保全や活用への支援を通じて、美しい地域づくりの推進を目的として実施しました。
出典;国土交通省より一部抜粋
しかし今回マンションが建設されることで、国立駅から見えた富士見通りの富士山は見えなくなってしまうことが判明。
2023年12月にはこのような問題が指摘されていたようです。
このような背景があったことから、積水ハウスは市に事業の廃止届けを出したと考えられます。
新情報①
マンションを建設・販売する部署では、GOサインが出ていたという今回の計画。ただ、会社の幹部が景観を確認したところ、一転、方針が変わったということです。
出典;livedoor Newsより引用
当初11階建ての計画が、富士山の眺望が悪くなるという近隣からの反対を受けて10階建てになったそう。
法令違反や構造上の問題がない中での解体は極めて異例ということですが、会社の幹部や他部署でも確認したところ、進めるべきではないという判断になったそうです。
新情報②
国立市の永見理夫市長は6月12日に開かれた市議会にて、事業者である積水ハウスの対応について「非常に遺憾だ」と述べました。
積水ハウスに対しては今後、住民に対して丁寧な対応を取るように文書で要請したことについても明らかにしました。
永見市長は12日の市議会で、「突然廃止届を出され、問い合わせてもそれ以上の内容は得られなかった。それなのに突然、HPでコメントが出た」と積水ハウスへの不信感をあらわにした。そのうえで「一義的には事業者が何が課題だったのか、住民に説明すべきだ」と述べた。
出典;YAHOO!JAPANニュースより引用
国立市のマンション解体に対するSNSでの反応
国立市のマンション解体に対してSNSでの反応を見てみましょう。
「景観上の問題ということであれば、なぜ完成後に解体が決まったのか」など、理由が理由だけに完成後の対応に疑問の声が相次いでいます。
またYAHOO!JAPANニュースの口コミを見ると、2002年にも国立市のマンション訴訟問題があったそう。
このニュースで思い出すのは、2002年に起きた「国立市のマンション訴訟」です。 国立市の大学通りに建設された14階建て、高さ44メートルのマンションが、市の条例で定められた「高さ20メートルまで」という高さ制限を超えているので、超えた部分を撤去(つまり、取り壊せ)という訴訟でした。 しかしながら、このマンションは「高さ20メートルまで」という条例が定まる前に建築許可を受けており、違法建築ではありませんでした。 それでも、景観が著しく損なわれるという理由で訴訟が起き、一度は建物上部を撤去せよ、という判決が出ました。しかし、最終的に最高裁で住民の訴えは棄却され、14階建ての建物は残っています。 つまり、建物に違法性はないが、同様の騒動が起こることは好ましくない、と不動産会社が判断し、事業の廃止を決めた……今、出ている情報で考えられるのはその程度となります。
出典;YAHOO!JAPANニュース口コミより引用
また総戸数だけ見たら大規模マンションではないものの、入居予定者への賠償や解体費用を考えたら相当な金額になることが想像できます。
「周囲への影響の配慮が当社の検討で不十分だったため」 とのことだけど、違法性が無いのであれば解体まで行くとは思えない 何かしら不正や施工ミス、法令違反があったのではないかと勘繰ってしまう 総戸数18戸とのことでそれほど大規模ではないものの、 入居予定者への賠償も含めたら最低でも数十億の損失だろう その損失を被ってでも解体を選ぶということは、相当の理由があるのだろう
出典;YAHOO!JAPANニュース口コミより引用
解体という選択をせざるを得なかった理由も気になるところですよね。
まとめ
本記事では国立市のマンションが完成間近で解体されることになった理由について調査していきました。
景観を守るための解体とはいえ、完成後に事業を廃止するという決断をせざるを得なかった点については疑問が残りますね。
というものの、地域住民からしたら富士山が見える素敵な景観が守られることは喜ばしいことかもしれません。